Git
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1.5 使い始める - Gitのインストール

Gitのインストール

Gitを使い始める前に、まずはコンピューターでそれを使えるようにしなければなりません。 仮にインストールされていたとしても、最新バージョンにアップデートしておくとよいでしょう。 パッケージやインストーラーを使ってインストールすることもできますし、ソースコードをダウンロードしてコンパイルすることもできます。

注記

本書は、Git 2.0.0 の情報をもとに書かれています。登場するコマンドの大半は旧来のバージョンのGitでも使えるはずですが、バージョンによっては動作しなかったり、挙動が異なるものがあるかもしれません。ただし、Gitでは後方互換性がとてもよく維持されていますので、2.0以降のバージョンであれば問題はないはずです。

Linuxにインストール

バイナリのインストーラーを使ってLinux上にGitと主な関連ツールをインストールしたいのであれば、大抵はディストリビューションに付属する基本的なパッケージ・マネジメント・ツールを使って、それを行なう事ができます。 もしFedoraを使っているのであれば、yumを使う事が出来ます:

$ sudo yum install git-all

もしUbuntuのようなDebianベースのディストリュビューションを使っているのであれば、apt-getを試してみましょう:

$ sudo apt-get install git-all

そのほかにも、いくつかのLinuxディストリビューション用のインストール手順がGitのウェブサイト http://git-scm.com/download/linux に掲載されています。

Macにインストール

いくつかの方法でGitをMacにインストールできます。 そのうち最も簡単なのは、Xcode Command Line Toolsをインストールすることでしょう。 それは、Mavericks (10.9)以降のバージョンであれば、'git’をターミナルから実行しようとするだけで実現できます。 もしXcode Command Line Toolsがインストールされていなければ、インストールするよう促してくれます。

最新バージョンのGitを使いたいのであれば、インストーラーを使うといいでしょう。 OSX用のGitインストーラーはよくメンテナンスされており、Gitのウェブサイト http://git-scm.com/download/mac からダウンロードできます。

Git OS Xインストーラー
図 7. Git OS Xインストーラー

あるいは、GitHub for Macの一部としてGitをインストールすることもできます。 GitHubが提供しているGUIのGitツールには、コマンドラインツールをインストールするオプションもあるのです。 このツールは、GitHub for Macのウェブサイト http://mac.github.com からダウンロードできます。

Windowsにインストール

Windowsの場合でも、いくつかの方法でGitをインストールできます。 最も公式なビルドは、Gitのウェブサイトからダウンロードできます。 http://git-scm.com/download/win にアクセスすると、ダウンロードが自動で始まるようになっています。 注意事項として、このプロジェクトはGit for Windowsという名前で、Gitそのものとは別のプロジェクトです。詳細については https://git-for-windows.github.io/ を参照してください。

もう一つ、Gitをインストールする簡単な方法として、GitHub for Windowsがあります。 GitHub for Windowsのインストーラーには、GUIとコマンドラインバージョンのGitが含まれています。 PowerShellとの連携がしっかりしていて、認証情報のキャッシュは確実、CRLF改行コードの設定はまともです。 これらについては後ほど説明しますので、ここでは「Gitを使うとほしくなるもの」とだけ言っておきます。 GitHub for Windowsは、 http://windows.github.com からダウンロードできます。

ソースからのインストール

上述のような方法ではなく、Gitをソースからインストールするほうが便利だと思う人もいるかもしれません。そうすれば、最新バージョンを利用できるからです。 インストーラーは最新からは少しですが遅れがちです。とはいえ、Gitの完成度が高まってきたおかげで、今ではその差はさほどでもありません。

Gitをソースからインストールするのなら、Gitが依存する以下のライブラリが必要です:curl、zlib、openssl、expat、libiconv もし、使っているシステムでyumが使えたり(Fedoraなど)、apt-getが使えたり(Debianベースのシステムなど)する場合は、それぞれ次のようなコマンドを使うと Git のバイナリをコンパイルしインストールするための必要最低限の依存ライブラリをインストールしてくれます。

$ sudo yum install curl-devel expat-devel gettext-devel \
  openssl-devel perl-devel zlib-devel
$ sudo apt-get install libcurl4-gnutls-dev libexpat1-dev gettext \
  libz-dev libssl-dev

なお、ドキュメントを doc、html、info 形式等で出力したい場合は、以下の依存ライブラリも必要になります(RHELやRHEL派生のディストリビューション(CentOS・Scientific Linuxなど)では、 EPELリポジトリを有効 にしてください。`docbook2X`パッケージをダウンロードするのに必要になります)。

$ sudo yum install asciidoc xmlto docbook2X
$ sudo apt-get install asciidoc xmlto docbook2x

さらに、Fedora・RHEL・RHEL派生のディストリビューションを使っている場合は、以下のコマンドを実行してください。

$ sudo ln -s /usr/bin/db2x_docbook2texi /usr/bin/docbook2x-texi

バイナリー名が異なるために生じる問題を解消するためです。

依存関係のインストールが完了したら、次にタグ付けされた最新のリリース用tarballを入手しましょう。複数のサイトから入手できます。 具体的なサイトとしては、Kernel.org https://www.kernel.org/pub/software/scm/git やGitHub上のミラー https://github.com/git/git/releases があります。 どのバージョンが最新なのかはGitHubのほうがわかりやすくなっています。一方、kernel.orgのほうにはリリースごとの署名が用意されており、ダウンロードしたファイルの検証に使えます。

ダウンロードが終わったら、コンパイルしてインストールします:

$ tar -zxf git-2.0.0.tar.gz
$ cd git-2.0.0
$ make configure
$ ./configure --prefix=/usr
$ make all doc info
$ sudo make install install-doc install-html install-info

一度この手順を済ませると、次からはGitを使ってGitそのものをアップデートできます:

$ git clone git://git.kernel.org/pub/scm/git/git.git
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