Git --distributed-even-if-your-workflow-isnt
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9.4 Gitの内側 - パックファイル

パックファイル

Git レポジトリ test のオブジェクトデータベースに戻りましょう。この時点で、あなたは11個のオブジェクトを持っています。4つのブロブ、3つのツリー、3つのコミット、そして1つのタグです。

$ find .git/objects -type f
.git/objects/01/55eb4229851634a0f03eb265b69f5a2d56f341 # tree 2
.git/objects/1a/410efbd13591db07496601ebc7a059dd55cfe9 # commit 3
.git/objects/1f/7a7a472abf3dd9643fd615f6da379c4acb3e3a # test.txt v2
.git/objects/3c/4e9cd789d88d8d89c1073707c3585e41b0e614 # tree 3
.git/objects/83/baae61804e65cc73a7201a7252750c76066a30 # test.txt v1
.git/objects/95/85191f37f7b0fb9444f35a9bf50de191beadc2 # tag
.git/objects/ca/c0cab538b970a37ea1e769cbbde608743bc96d # commit 2
.git/objects/d6/70460b4b4aece5915caf5c68d12f560a9fe3e4 # 'test content'
.git/objects/d8/329fc1cc938780ffdd9f94e0d364e0ea74f579 # tree 1
.git/objects/fa/49b077972391ad58037050f2a75f74e3671e92 # new.txt
.git/objects/fd/f4fc3344e67ab068f836878b6c4951e3b15f3d # commit 1

Git は zlib を使用してこれらのファイルのコンテンツを圧縮するため、多くを格納していません。これらすべてのファイルを集めても 925バイトにしかならないのです。Git の興味深い機能を実際に見るために、幾つか大きなコンテンツをレポジトリに追加してみましょう。前に作業したGritライブラリから repo.rb ファイルを追加します。これは約 12Kバイトのソースコードファイルです。

$ curl -L https://raw.github.com/mojombo/grit/master/lib/grit/repo.rb > repo.rb
$ git add repo.rb
$ git commit -m 'added repo.rb'
[master 484a592] added repo.rb
 3 files changed, 459 insertions(+), 2 deletions(-)
 delete mode 100644 bak/test.txt
 create mode 100644 repo.rb
 rewrite test.txt (100%)

結果のツリーを見ると、ブロブオブジェクトから取得した repo.rb ファイルの SHA-1ハッシュ値を見ることができます。

$ git cat-file -p master^{tree}
100644 blob fa49b077972391ad58037050f2a75f74e3671e92      new.txt
100644 blob 9bc1dc421dcd51b4ac296e3e5b6e2a99cf44391e      repo.rb
100644 blob e3f094f522629ae358806b17daf78246c27c007b      test.txt

それから、そのオブジェクトのディスク上のサイズがどのくらいか調べることもできます。

$ du -b .git/objects/9b/c1dc421dcd51b4ac296e3e5b6e2a99cf44391e
4102    .git/objects/9b/c1dc421dcd51b4ac296e3e5b6e2a99cf44391e

ここで、ファイルに少し変更を加えたらどうなるのか見てみましょう。

$ echo '# testing' >> repo.rb
$ git commit -am 'modified repo a bit'
[master ab1afef] modified repo a bit
 1 files changed, 1 insertions(+), 0 deletions(-)

このコミットによって作られたツリーをチェックすると、興味深いことがわかります。

$ git cat-file -p master^{tree}
100644 blob fa49b077972391ad58037050f2a75f74e3671e92      new.txt
100644 blob 05408d195263d853f09dca71d55116663690c27c      repo.rb
100644 blob e3f094f522629ae358806b17daf78246c27c007b      test.txt

そのブロブは今では当初とは異なるブロブです。つまり、400行あるファイルの最後に1行だけ追加しただけなのに、Git はその新しいコンテンツを完全に新しいオブジェクトとして格納するのです。

$ du -b .git/objects/05/408d195263d853f09dca71d55116663690c27c
4109    .git/objects/05/408d195263d853f09dca71d55116663690c27c

これだとディスク上にほとんど同一の 4Kバイトのオブジェクトを二つ持つことになります。もし Git がそれらのひとつは完全に格納するが二つ目のオブジェクトはもうひとつとの差分(delta)のみを格納するのだとしたら、どんなに素晴らしいことかと思いませんか?

それが可能になったのです。Git がディスク上にオブジェクトを格納する初期のフォーマットは、緩いオブジェクトフォーマット(loose object format)と呼ばれます。しかし Git はこれらのオブジェクトの中の幾つかをひとつのバイナリファイルに詰め込む(pack up)ことがあります。そのバイナリファイルは、空きスペースを保存してより効率的にするための、パックファイル(packfile)と呼ばれます。あまりにたくさんの緩いオブジェクトがそこら中にあるときや、git gc コマンドを手動で実行したとき、または、リモートサーバにプッシュしたときに、Git はこれを実行します。何が起こるのかを知るには、git gc コマンドを呼ぶことで、Git にオブジェクトを詰め込むように手動で問い合わせることができます。

$ git gc
Counting objects: 17, done.
Delta compression using 2 threads.
Compressing objects: 100% (13/13), done.
Writing objects: 100% (17/17), done.
Total 17 (delta 1), reused 10 (delta 0)

オブジェクトディレクトリの中を見ると、大半のオブジェクトは消えて、新しいファイルのペアが現れていることがわかります。

$ find .git/objects -type f
.git/objects/71/08f7ecb345ee9d0084193f147cdad4d2998293
.git/objects/d6/70460b4b4aece5915caf5c68d12f560a9fe3e4
.git/objects/info/packs
.git/objects/pack/pack-7a16e4488ae40c7d2bc56ea2bd43e25212a66c45.idx
.git/objects/pack/pack-7a16e4488ae40c7d2bc56ea2bd43e25212a66c45.pack

残りのオブジェクトは、どのコミットにもポイントされていないブロブです。このケースでは、以前に作成した "what is up, doc?" の例と "test content" のブロブの例がそれにあたります。それらに対していかなるコミットも加えられてないので、それらは遊離(dangling)しているとみなされ新しいパックファイルに詰め込まれないのです。

他のファイルは新しいパックファイルとインデックスです。パックファイルは、ファイルシステムから取り除かれたすべてのオブジェクトのコンテンツを含んでいる単一のファイルです。インデックスは、特定のオブジェクトを速く探し出せるようにパックファイルの中にあるオフセットを含むファイルです。素晴らしいことに、gc を実行する前のディスク上のオブジェクトを集めると約 8Kバイトのサイズであったのに対して、新しいパックファイルは 4Kバイトになっています。オブジェクトをパックすることで、ディスクの使用量が半分になったのです。

Git はどうやってこれを行うのでしょうか? Git はオブジェクトをパックするとき、似たような名前とサイズのファイルを探し出し、ファイルのあるバージョンから次のバージョンまでの増分のみを格納します。パックファイルの中を見ることで、スペースを確保するために Git が何を行ったのかを知ることができます。git verify-pack という配管コマンドを使用して、何が詰め込まれたのかを知ることができます。

$ git verify-pack -v \
  .git/objects/pack/pack-7a16e4488ae40c7d2bc56ea2bd43e25212a66c45.idx
0155eb4229851634a0f03eb265b69f5a2d56f341 tree   71 76 5400
05408d195263d853f09dca71d55116663690c27c blob   12908 3478 874
09f01cea547666f58d6a8d809583841a7c6f0130 tree   106 107 5086
1a410efbd13591db07496601ebc7a059dd55cfe9 commit 225 151 322
1f7a7a472abf3dd9643fd615f6da379c4acb3e3a blob   10 19 5381
3c4e9cd789d88d8d89c1073707c3585e41b0e614 tree   101 105 5211
484a59275031909e19aadb7c92262719cfcdf19a commit 226 153 169
83baae61804e65cc73a7201a7252750c76066a30 blob   10 19 5362
9585191f37f7b0fb9444f35a9bf50de191beadc2 tag    136 127 5476
9bc1dc421dcd51b4ac296e3e5b6e2a99cf44391e blob   7 18 5193 1 \
  05408d195263d853f09dca71d55116663690c27c
ab1afef80fac8e34258ff41fc1b867c702daa24b commit 232 157 12
cac0cab538b970a37ea1e769cbbde608743bc96d commit 226 154 473
d8329fc1cc938780ffdd9f94e0d364e0ea74f579 tree   36 46 5316
e3f094f522629ae358806b17daf78246c27c007b blob   1486 734 4352
f8f51d7d8a1760462eca26eebafde32087499533 tree   106 107 749
fa49b077972391ad58037050f2a75f74e3671e92 blob   9 18 856
fdf4fc3344e67ab068f836878b6c4951e3b15f3d commit 177 122 627
chain length = 1: 1 object
pack-7a16e4488ae40c7d2bc56ea2bd43e25212a66c45.pack: ok

ここで、9bc1d というブロブを覚えてますでしょうか、これは repo.rb ファイルの最初のバージョンですが、このブロブは二つ目のバージョンである 05408 というブロブを参照しています。出力にある三つ目のカラムはオブジェクトの実体のサイズを示しており、05408 の実体は 12Kバイトを要しているが、9bc1d の実体はたったの 7バイトしか要していないことがわかります。さらに興味深いのは、最初のバージョンは増分として格納されているのに対して、二つ目のバージョンのファイルは完全な状態で格納されているということです。これは直近のバージョンのファイルにより速くアクセスする必要があるであろうことに因ります。

これに関する本当に素晴らしいことは、いつでも再パックが可能なことです。Git は時折データベースを自動的に再パックして、常により多くのスペースを確保しようと努めます。また、あなたはいつでも git gc を実行することによって手動で再パックをすることができるのです。